ここで一つ私の母親の話をします。
私の母親は、私が社会人2年目の時に乳がんで他界しました。
当時の母親は抗がん剤の治療を拒否し、他の治療を選択しました。なぜ拒否したのか、その理由は家族の誰にも分かりません。
母親が医学的な標準治療を受けてもらえれば救えたかもしれないと思う反面、もし無理に受けてもらったとしても母の感情はや想いは置き去りにされたかもしれません。
「様々な価値観を持つ人たちに、Value Basedな治療やヘルスケアを」
薬剤師として務める中で、薬が好きな方もいれば、好きではないけれど仕方なくという人など、様々な方と出会えることができました。薬局は薬を提供される場所と思われていると思いますが、そのためだけの場所にするのはもったいないと感じます。相手のことを深く理解し、それに応じた薬との向き合い方・付き合い方を一緒に考えてくれたり、時には漢方やサプリメント、アロマによるリラクゼーションなどを提案してくれたり。
それを薬局発信でできたら、地域の発展に少しは貢献できるのではないでしょうか。
今より、今の延長線上より少しでも良くなるように、それぞれの「最善の健康」の実現に向けて関わっていける薬局・薬剤師でありたいと考えています。
また、薬剤師や薬局の価値をもっと届けられる存在になりたいとも思います。薬局以外の場でお会いした人とお話をした時に、薬剤師が提供できるサービスや知識がそもそも知られていないということに気づきます。また、薬に対する疑問なども似通っている気もします。
例えば、子供を持つ親ならば、「粉薬をなかなか上手に飲んでくれない」とか、「薬はいつまで飲んでいいの?」とか。きっと薬剤師ならばお答えできることが多く、また薬をお渡しするときに説明できることだと思います。でも、現実は伝わっていません。
お薬の説明をする機会は薬をお渡しする時が最も多いと思いますが、もっと違う機会があっても良いのかもしれません。そのためには、薬剤師が患者さんとの接点をもっと増やしたり、どのように薬と関わる生活をしているかを理解する必要があります。
薬を起点とした医療の専門家として、「こんな薬局があってもいい」を実現していきたいと思っています。
MMCでは、薬局を利用してくださる方それぞれのValue Basedな医療・ヘルスケアを提供したいと考えています。
また、ときには薬局以外の他事業とも連携をして、身体的、精神的のみならず、社会的な健康にもアプローチが取れるような、地域のヘルスケア拠点となることを目指します。
そのためにも、保険医療の方が優れているところはしっかりと利用し、それ以外にも漢方や栄養学を用いたサプリメント、優れた医療機器や高品質の化粧品といったサービスを提供してまいります。