11月半ばを過ぎると、家族の急な吐き気や下痢が気になる季節になります。夜中に誰かが吐いてしまうと、着替え、床の掃除、飲み物の用意を一度に考えなくてはなりません。そんなとき、消毒液を探す前に思い出してほしいのが、手を介して広げないことです。
冬の胃腸炎は、すべてがノロウイルスとは限りません。食べたものや別の病原体など、原因は症状だけでは決められません。それでも、吐いた物や便に触れた手を洗い、汚れを広げずに片づけることは、家庭で共通して役に立つ備えです。
ここでいう「まず手洗い」は、吐いた人を放っておいて洗面所へ走る、という意味ではありません。本人の呼吸や意識、けがの有無を確かめ、必要な介助をしたうえで、片づけに入る人が自分の手から周囲へ汚れを運ばないようにする、という話です。落ち着いて順番を決めておくだけでも、慌て方が少し変わります。
「アルコールをかけたから大丈夫」と思う前に
ノロウイルスは、吐いた物や便から手などを介して広がることがあります。厚生労働省は、手指に付いたノロウイルスを減らすには手洗いが最も有効だと案内しています。石けんには、手に付いたウイルスを浮かせ、流水と一緒に洗い流しやすくする役割があります。
だから、トイレの後、おむつを替えた後、吐いた物を片づけた後、食事を作る前には、石けんと流水で丁寧に洗います。指先、爪の間、親指の付け根、手首は急いでいると残りやすいところ。指輪や時計を外せるなら外し、洗った後は清潔なタオルやペーパータオルで拭きます。家族で同じタオルを使い回さないことも意識したいですね。
外出先でアルコール消毒を使う習慣は、もちろん無意味ではありません。ただ、ノロウイルスが疑われる場面で「アルコールだけで十分」とは考えず、洗える場所では石けんと流水を優先します。手指に塩素系漂白剤を使うのはやめてください。漂白剤は物の消毒に使うものです。
吐いた物は、乾く前に静かに片づける
片づけで気をつけたいのは、勢いよく拭いたり、掃除機で吸ったりして汚れを広げないことです。厚生労働省は、使い捨ての手袋・マスク・エプロンを着け、ペーパータオルなどで静かに拭き取るよう案内しています。使った紙やおむつは袋に入れ、口をしっかり閉じて捨てます。作業後には換気をし、手袋を外した手も洗います。
床などを拭いた後の消毒には、製品の表示を確認したうえで、次亜塩素酸ナトリウムを含む家庭用の塩素系漂白剤を使う方法があります。厚生労働省の目安は、汚れを拭き取った後の床なら塩素濃度約200ppmです。ただし、原液の濃さは製品で異なり、古い製品では濃度が下がることもあります。ネットで見た「キャップ何杯」をそのまま当てはめず、製品の表示や自治体の案内に沿って調製してください。
汚れたままの場所に消毒液だけをかけても、拭き残しをなくすことにはつながりません。先に紙で汚れを集め、周囲を拭き、必要な場所を消毒する。使った紙を途中でテーブルや洗面台に置かないことも、手順の一部です。片づけをした人の服が汚れたら、ほかの洗濯物と分けて扱います。
塩素系の製品は、酸性の洗剤と混ぜると有害なガスが発生する危険があります。換気をし、手袋を着け、別の洗剤と混ぜない。金属は傷むことがあるため、消毒後に水拭きが必要な場所もあります。布団や衣類には色落ちの心配もあるので、素材を確かめて扱いましょう。消毒液をスプレーで広くまくより、汚れを取り除いてから、表示どおりに拭く手順が大切です。
家に置いておくと慌てにくいもの
使い捨ての手袋、マスク、ペーパータオル、口を閉じられるごみ袋。これらを一か所にまとめておくと、夜中でも探し回らずにすみます。塩素系漂白剤は、買い置きの有無だけでなく、成分と使い方を一度確認しておくと安心です。小さな子どもの手が届かない場所に保管し、飲み物の容器へ移し替えないでください。
水分は「飲めているか」を見る
吐き気や下痢がある本人については、片づけと同じくらい水分のことが気になります。ノロウイルスによる胃腸炎に特効薬はなく、厚生労働省は水分と栄養の補給を大切にしています。とくに子どもや高齢者は脱水に注意が必要です。何をどのくらい飲めているか、尿がいつもより少なくなっていないかを見てください。
薬局で見かける経口補水液は、スポーツドリンクと同じ飲み物ではありません。消費者庁によると、感染性胃腸炎による下痢・嘔吐に伴う脱水時の水分と電解質の補給を目的とする製品があります。一方で、脱水でない人が普段の水代わりに飲むものではなく、ナトリウムやカリウム、糖質に制限がある人は特に注意が必要です。購入時には、製品の用途表示を読み、持病や食事制限があれば医師・薬剤師に相談してください。
「吐いているから、飲ませれば解決」とも言えません。水分がほとんど取れない、吐き続ける、尿が極端に少ない、ぐったりしている、意識がはっきりしないときは、家庭での水分補給だけに頼らず、医療機関へ早めに相談してください。乳幼児や高齢者、持病がある方では、迷った段階で相談するのがよいでしょう。
下痢止めを先に選ばない
外せない予定があると、下痢だけでも止めたいと思うかもしれません。ただ、原因が分からない急な下痢に、手元の市販の下痢止めを自己判断で使うのは慎重に。厚生労働省は、ノロウイルスの場合、下痢止めが回復を遅らせることがあると案内しています。発熱、血便、強い腹痛、脱水が疑われる場合も、薬を選ぶ前に受診の要否を確認したい場面です。
普段の薬を飲んでいる人は、吐いてしまった後に「もう一回飲むべきか」と迷うこともあります。薬によって判断が変わるので、自己判断で追加しないでください。薬の名前、飲んだ時刻、吐いた時刻を控えて、処方元や薬局に連絡を。お薬手帳があると確認が早くなります。
家族に広げないために、台所も一度止める
本人の症状が落ち着いても、すぐにいつもどおり食事を作る前に手洗いを。ノロウイルスは、症状が治まった後もしばらく便に出ることがあるとされています。家庭で調理する人に下痢や嘔吐があるなら、できる範囲で別の人に食事の支度を任せましょう。使ったトイレのレバーやドアノブなど、よく触る場所も忘れずに確認します。
冬の胃腸炎に備えるなら、手洗いできる環境を整え、片づける道具を一か所にまとめておきたいものです。何を使うかを日頃から知っておくと、急なときにも動きやすくなります。
いつもの掃除から備える。OPTIMという一枚

家族が急に吐いたとき。胃腸炎の原因になるノロやロタにはアルコールが効きにくいこともあり、「いつものアルコールシートでいいの?」と迷いますよね。その場で調べ始めるのは大変です。そこでN9薬局がご紹介したいのが、除菌ワイプのOPTIM(オプティム)33TB。容器から一枚取り出して、ドアノブや洗面台など、みんなが触れる場所を拭けます。
特徴は、加速化過酸化水素(AHP:Accelerated Hydrogen Peroxide)という配合技術です。0.5%の過酸化水素に界面活性剤などを組み合わせ、除菌と汚れ落ちの両方を担います。メーカーは皮膚や目への刺激性が低いことも示しており、扱う人へのやさしさまで考えた設計。有効成分の過酸化水素は、分解すると水と酸素になります。
OPTIMのいいところは、胃腸炎のときだけの「非常用品」にしなくていいこと。普段から机やドアノブ、洗面台を拭くのに使っていれば、使い方も置き場所も家族で分かります。いざというときに「あのシートを使おう」と、すぐ手が伸びる。この使い慣れた一枚が、わが家の接触感染対策の心強い味方になります。
汚れ落ちにも注目です。乾いた血液汚れをつけたタイルの比較試験では、アルコールを多く含む複数のシートより、OPTIMのほうがよく落としました。わが家ではキッチン周りやダイニングテーブルに使うだけでなく、靴を磨いたらピカピカになったことも。子どもがレースのカーテンにつけた墨汁も、目立たないくらいまで落ちました。
米国の製品ラベルには、ノロウイルスの代わりに用いたウイルスとロタウイルスへの試験結果が載っています。効果を発揮するには、目に見える汚れを先に取り、拭いた表面を1分間しっかり濡らしておくことが大切です。手や食べ物には使わず、材質と使用期限も確認してください。吐いた物や便そのものは、先に紹介した手順で静かに片づけ、手洗いを続けましょう。
OPTIMはN9薬局の店頭と、N9薬局が運営するCONNECT STOREで取り扱っています。CONNECT STOREへは、N9薬局の公式LINEに登録すると入室できます。まずは毎日の拭き掃除に。拭ける場所や使い方に迷ったら、店頭でも気軽に聞いてくださいね。
参考情報
- 厚生労働省「感染性胃腸炎(特にノロウイルス)」
- 厚生労働省「ノロウイルスに関するQ&A」
- 厚生労働省「消毒・滅菌の手引き」
- 厚生労働省「次亜塩素酸ナトリウム液の作り方」
- 消費者庁「経口補水液について」
- 消費者庁「衣料用、台所用又は住宅用の漂白剤」
- SciCan日本「OPTIM 33TB」
- 米国EPA登録ラベル「OPTIM 33TB Wipes」
- Omidbakhsh・Sattar(2006)査読論文
- Dental Advisor「OPTIM 33TB Surface Cleaning Investigation」
- Virox「加速化過酸化水素(AHP)の技術」
- SciCan「OPTIM 33TB安全性データシート」





















